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 秋の空である。

 よく晴れた。

 「ぼくのエリ・200歳の少女」監 督トーマス・アルフレッドソン (2008年 スウェーデン・レンタルDVD)を観た。

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 映画は、少女が少年が住むアパートメントの隣に引っ越してくる夜の風景から始まる。

 すぐに、少女を世話する中年の男が、血液の採取を行う場面にへと続くが、これが、なんとも馬鹿馬鹿しく手抜かりなやりかたで、簡単に発見されてしまう。この中年男は、「謎」のようであるが、そのあまりの愚かしさと少女への忠誠心は、この手のお話に出てくるヴァンパイヤに魅せられた協力者の一人であるとわかる。
 少女のヴァンパイヤというのは、一部の猟奇的な大人たちを喜ばすものかも知れないが、われわれの身近な感覚から云うと、いかがなものか、という気持ちもある。

 こんなことから、とかく奇をてらいやすい、ホラーな作品だ、といってしまってかたづけてもよいけれど、観てしまうと、そう冷たくもできない。
 
 少女は200年を生きて?きた「十二歳」のヴァンパイヤである。これが、十二歳の少年の初恋を受け入れる。少年は、彼女がヴァンパイヤでることを、受け入れる。彼女は永遠の「十二歳」を生き続ける。

 宿命的な出会いとしか云いようがない。
 
 ボクは、こうした不可能な恋の実現に、ちょっと弱い、そこが、この映画に惹かれるところだ。勿論、この少年の行く末の姿は、冒頭の中年男が暗示している。いつまでも、初恋は持続できない。

 光なき世界に生きるヴァンパイヤと光を求めて生きるしかない人間の間をつなぐものが、モールス信号だというのも、ちょっとよかった。

 それにしても、ガキたちは、洋の東西を問わず、なぜにこうもいじめを好むのか。ホラーの主人公には、いじめられっ子が、このことが意味するのはなんなのか、くわしい人に訊きたい。 
 
 どうでもいいが、しばらく前に観た、「ホンマタカシニュードキュメンタリー」で、鹿狩りの雪上の血痕を写したシリーズを思い出した。この映画でも、雪の上に、血がながされたのである。

 「血」である。そして、「血」という記号。

 原作の小説は、ろくでもないそうだから、映画だけの、お話にとどめよう。

 残暑の候、雪景色は、よかった、そんな作品。






 
by ribondou55 | 2011-09-17 23:37 | 還暦シネマ | Trackback | Comments(0)

老人性ひきこもり?

 なんだか、面倒くさい。

 
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 地下鉄「竹橋」駅、ホームで。

 ふらふらと、外出はする、しかし、「ひらかれていない」、そんな感じ。

 逢いたい人は、勿論いるが、逢わないで、ぐずぐずしている気分が、・・・・、好きなのかも知れない。

 
 面倒くさい。

 思いを固めるのが。







by ribondou55 | 2011-09-07 23:26 | 生きている | Trackback | Comments(0)
 
 「見渡せば花も紅葉もなかりけり」と定家は歌ったが、ここ新宿見渡せば、何が見えてくるのか。

 このごろは、酒を呑むと、胸が痛む。 


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 啄木は、「友がみな我よりえらく見ゆる日は」と歌い、花を買い求めて妻と親しんだというが、友がエライとかなんとかは、もうどうでもいいのだが、下の句の「妻としたしむ」はよく分かるような、・・・・・。

 どうでもいいのだが、世の中にカボチャばかりが目立つのは、どういうものでしょうか。

 昭和生まれのボクには、 カボチャと舶来のお化けの浮かれるお祭り騒ぎは、なじめない。

 カボチャにお芋、妻の好物だが、ボクはちょっと。



 一時、親しかった友人、同僚の訃報が続く。
 
 思うことはあるのだが、告別式になど顔を出せば、会いたくないお方の面にもであう。

 ああ、面倒くさい。

 この度も、ホームの隅で黙祷ということで。





 
















by ribondou55 | 2009-10-25 18:24 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)

   
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  梅雨の夜遠距離通勤者眠る     李凡堂

  あばら骨リベラル左派が扇風機

  かの亡命者O型とかや夏帽子

  塵浸す犬の生涯夏日記

  情けねぇぞ青唐辛子炒めては
by ribondou55 | 2005-06-28 23:33 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)

 一茶「七番日記」文化11年1月元旦の句。当日は<晴、寒>とある。

 「安房鳥」とは、「信天翁(アホウドリ)」のことであろうが、どうなのだろう。
 アホウドリの鳴き声がbookshelf2.0で聴ける。それはまるで、子どもの頃、水枕をブコブコいわせていたずらしたした時に聞いたような懐かしい声である。おおらかな、まるで鳥とも思えない、まあるい鳴き声であった。とても、いい。
 酉年の「酉」は、十二支の中で鶏が当てられている。この安眠を妨げる家禽に比較するに信天翁は極めて好ましい。


 雪の原ひんがし蒼く暮れそむる 李凡堂
 
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 2005年が明けた。極めつきの困難を抱えた年の幕開けである。




by ribondou55 | 2005-01-01 23:58 | この一首その一句 | Trackback | Comments(0)
 10月の句である。

 世界も日本も安定を著しく欠いている。日常は、果てしなく陽気に過ぎてゆくようでいて、本当は、大きな不安を飲み込んで、喉のあたりが膨らんでいる。まるで、鵜飼いの鵜のよろしく、大きな存在が僕等の首に縄を繋ぎ、それをあらい ざらい吐き出すように、しきりののど元を締め上げるのであるが、吐き出したら最後、更に綱は締められて一巻の終わりと相成りに候、といった風の、どす黒い不安が、そこかしこ漂い流れているような・・・・・。

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2004/10/13 22:21 (Wed)

 ☆ 歌わせられて歌う「歌」の訛りをり
 
 ☆ うら枯れや汚れし声の人やさし


2004/10/14 22:19 (Thu)

 
 ☆ 秋霖や七月のプリクラ猫の舌

 ☆ 葡萄種ほきだす舌にうすき藍

 ☆ 秋の昼黒子はいくつ六つ七つ


2004/10/15 22:01 (Fri)
 
 ☆ 身にしむや鍵穴のぞく眠るため

 ☆ 秋の暮パンの耳一袋二十円

 ☆ 柿熟れて神経症を病みそめし

 ☆ 萩の恋スカートの下の朝や血や


2004/10/16 22:00 (Sat)
 
☆ 木ぬれ柿今日暮れ残るすかいぶるー


2004/10/19 22:34 (Tue)
  
 ☆ 橋上に「檸檬」しずかなり手榴弾
 
 ☆ 無花果を煮る人の胸あたたかき


2004/10/20 22:15 (Wed)

 ☆ 微熱の日台風接近を告げており

 ☆ 恋や在る眼球凝るを梨啜る

 ☆ てのひらに熟柿たっぷりの水


2004/10/22 23:28 (Fri)

 ☆ 星月夜日がな一日火車曳きて


2004/10/23 23:32 (Sat)

 ☆ 地揺れて一粒の粟ぞ我なる


2004/10/26 21:54 (Tue)

 ☆ 身はひとつ大魚に呑まれ後の月


2004/10/27 22:18 (Wed)

 ☆ 機織りの寂寥ひとゆら豆を煮る



2004/10/28 23:48 (Thu)

 ☆ ホームにて決めた鯛焼き四匹ぞ







by ribondou55 | 2004-11-01 23:11 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)

水面を滑りまわって世を過ごし、その上、空を飛ぶ羽も持っているあめんぼは、老蛙の憧れだ。


by 泡六堂