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タグ:夢の切れはし ( 52 ) タグの人気記事



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ルート17


 夜の国道沿いに、いつも目につく桜の古木があった。
 

 その桜は、すでに朽ちて、もとより名も無い。


  地を吹雪く薄墨桜よ黒髪よ      李凡堂







by ribondou55 | 2006-04-09 23:45 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)
  右手の人差し指の先にに2,3ミリの棘が刺さった。先週の日曜日のことだ。
  それが、今朝抜けた。
  たったそれだけの棘が、憂鬱であった。

     

  秋の雨ポテトチップス一袋       李凡堂

  十三夜深爪の俺と双六

  赤羽の老娼けらけらと濁酒

  ふと立ちて煙草を吸いに秋の声

  踏切の警報遠き夜寒なり

  錆色の土工に並び燗二合

  いざ鼻よカレー饂飩に溺れ行け

  

  

  
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by ribondou55 | 2005-10-07 23:12 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)

蝶も 雲の影もなく。

    台風一過。
 
   夏星が見えた。
 
   家人不機嫌。介護疲れ。



    蛙鳴く激辛カラカレーライス       李凡堂

    鴫焼きや貧乏の食卓歯と舌と

    青田風傷痍軍人手風琴

    青田道子ども墓まで後半里

    田水沸くパーキンソン病農夫嗤ふ

    泉にて時の賽の目嘘言ふ

    引き出しの水中眼鏡黴びており

    火傷痕のみ白き野良より帰る

    ひょろふらりデコピン一撃ひまわりめ

    

    

   

by ribondou55 | 2005-07-27 23:48 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)

  台風が関東に接近。
  
  
  今週の日曜日、夕刻床屋に行く。
  いつもとおりの手順で散髪が進行してゆく。
  髭をそられるに至って眠ってしまった。
  夢まで見た。
  散髪後、床屋の親父と二言三言のやりとり。
  

  夢の中身はわすれたが、
  迷路のような構内を出口を探して焦っているような夢であったような。
  見知った女では無かったが、
  ひどく懐かしい、そのなつかしさに記憶がある人もいたが。
  誰だったか。
  それに、何故に。
  



   黄昏て妊婦のうぜんを厭いけり      李凡堂

   先ず首を尋ねて伸ばすのうぜんの花

   さるすべり椅子寄せてみん雨の後

      

by ribondou55 | 2005-07-26 22:48 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)

ビスケット工場の木陰で

 
 この季節になると
  時刻表を買う
  夏の臨時電車が掲載されているポケット版
  一昨日、
  駅の書店で今年も買った。

  大学2年の夏。
  小さなビスケット工場で
  時給230円のバイトをした。
  昼休みには
  おばさんたちと
  よく冷えた
  牛乳を飲んで、
  二段重ねの赤い弁当箱の弁当を食った
  それが、180円。

  弁当を食い終わると
  扇風機もない工場の木陰に座って時刻表を読んだ。
  時刻表は事務所のゴミの中から拾った。
  出来損ないのビスケットを食べながら。 
  時刻表を読んでは、鉛筆でマークした。
  読んでも読んでも
  鉄道はどこまでも連結し突き進むことを止めなかった。

  一週間働くとビスケット工場の
  甘いミルク色の香料が
  ジーンズや髪の毛にしみんで匂った。
  帰り道のバスは
  必ず最後尾に座った。
  
  送り盆がすんだころ、
  家庭教師のバイト料も入ったことで、 
  三陸への周遊券を買い、
  津軽から三陸への旅に出た。

  「僕の旅」の始まり。

  その旅の最終地、
  田老の海岸の高い防波堤に
  夕涼みに出ると
  二十メートルほど先の
  ひょろっとした外灯の光が闇に融けこむあたりに
  縁台をおいて
  「女」が座っているらしい。

  紅いワンピース
  緩やかに
  むき出しの腕
  かすかに光をおびた胸元
  涼しげに・・。
  それに、
  闇より暗い髪。
  
  僕はゆっくりと歩いて
  その女の人の前を通り過ぎた
  胸がわくわくとゆらいだ
  
  「こんばんは」

  「アッ、コンバンワ」

  僕は通り過ぎた。
 
 
  旅の終わり
  なぜか盛岡駅で
  津軽の絵はがきを買った
  ビスケット工場にいた女の子にあげたいと思った。
  女の子は女の子のグループから離れた木陰で
  いつも昼休みには文庫を読んでいた。 
  文庫の表紙に見覚えがあって、・・・・。


  旅から帰って幾日かごろごろと日を過ごして
  ようやく
  8月の終わりビスケット工場によった。
  女の子はとっくにアルバイトを止めていた。
  

  それから何度か東京へ行く駅の朝のホームで
  すれ違ったり
  遠くから見かけたりしたが
  絵はがきは予定どうり渡さずじまいで終わった。

  時折ビスケットを食べると
  その軽く足を傾けた彼女の後ろ姿を思い出す若いころのひとときあったが、
  今はとんとそんなことも無く
  だいたい、ビスケットを食べることさえそうはないのだし。

  だが、時刻表を買う習慣だけは残ってしまった。
  七月になると時刻表が
  ひとときの
  愛読書となる。
    


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by ribondou55 | 2005-06-25 00:14 | よしなしごとあれこれ | Trackback | Comments(0)

人生の準備は終わらない

  

  眠るまで身の置き場なき六月や    李凡堂

  枇杷売りの金髪先ずは熟れ急ぐ

  げしげしの腰痛持ちより遁走す

  


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by ribondou55 | 2005-06-22 23:26 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)
  「晩歳 生を偸むに迫られ 家に帰るも勧趣少なし」とは、杜甫である。

  では、家に帰らなければどうなるのだろうか。

  いのちをむさぼるとは。
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寒五時の鼬の轢死報ぜざる   李凡堂


この春やほうれん草にマヨネーズ  ゝ


外套に膝やや割れて人が妻      ゝ


ミルク温める人ミルクの匂い    ゝ


昔から「式」と名の付くものが嫌いだった。
 葬式はいうまでもなく、結婚式、入学式、始業式、卒業式、銀婚式、金婚式、出初め式、進水式、開会式、閉会式・・・・・。

 おりしもの「成人式」。
 成人式には出席しなかった。会場の近くの喫茶店で出席した友人達と待ち合わせをした。スーツ姿の友人たちに、ちょっとすねてみせるために、黒いセーターを着ていたことを思い出す。馬鹿なことをした。

 結婚式は、普段は大抵のことにはこだわらない父親が、世間様並にはやれ、と命じたので、世間並みの結婚式をした。


 一度、結婚式の媒酌人をさせられたことがある。閉口した。

 なぜ嫌いか、・・・・・とにかく、面倒なのだ。息が詰まる。それだけか。いや、たぶん偏見であろうが、「式」とよばれる出来事の根っこには、「国家」の影が在る、ような気がする。それが、疎ましい

 自分の葬式は・・・・・・?死んだ後のことは関知しない。
by ribondou55 | 2005-01-10 00:53 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)
  日付が変わった。朝から馬鹿げた諍い。
  世間は、年始回りに忙しいようだが、さて明日はどうする、・・・。
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    黙りを犬も知らぬげ五日かな  李凡堂


    霜柱エホバの使者が道尋ね    ゝ


    形代をいくた流せば若菜の野   ゝ

 
 
       
by ribondou55 | 2005-01-06 00:08 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)
 
 ☆ 手のひらにこぼれ式部の実や四十

 ☆ Tシャツに棘の種子あり終電車

 ☆ ブラウスの胸刻急ぐ青蜜柑

 ☆ 金木犀眼帯ひだるき首くくり

 ☆ 銀木犀セブンのおでん手土産に
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 ☆ 寝待月少年少女合唱隊の変声期

 ☆ 自殺志願恥ずかしげなり蕎麦の花

 ☆ 告知あり「あと何回できるかな」雨の月


2004/10/04 23:22 (Mon)
 
 
 ☆ パジャマ脱げ水底覗けエンヤコラ

 ☆ 十月やおまえ十六潮の髪

 ☆ 十六夜や腋臭のシーツ白荒野

 ☆ 尋ね人雨降り横町九月尽

 ☆ 秋霖やブリキロボット瞼なし


2004/10/08 23:06 (Fri)


 ☆ 赤い羽根「夢判断」の栞なり

 ☆ 横町に往けば人喰う人に酌

 ☆ 虫食いの胡桃 いづくの虫ぞ

2004/10/09 22:52 (Sat)
 
 ☆ 秋の蝿しばらく肩に親しむか
 
 ☆ 会議あれ身は亡霊ぞへこき虫
 
 ☆ 「でっちあげだ!」十月の塔展翅せよ
 
 ☆ テーブルに神よ真向かひてサフラン
 
 ☆ いささかの身も堕ろされて秋の暮れ


2004/10/11 00:19 (Mon)

 ☆ どこぞかへ鈴走り往く秋時雨
 
 ☆ ジッパーをはずしっぱなしだ泡立草
 
 ☆ 青蜜柑たわわなる陰「有る不在」
 
 ☆ 闇が来て青き蜜柑よ胸ひらく

 ☆ 長月のある夜たちんぼ顔と顔


2004/10/11 22:14 (Mon)
 
 ☆ 裏町や息におう秘所みずきの実
 
 ☆ 受話器置き林檎むく舌の内向


   2019/04/23 追補

       李凡堂、現在の泡六堂。




by ribondou55 | 2004-10-29 23:39 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)
 散歩コースに一軒の空き家がある。

 春先まで老夫婦が暮らしておられた。イトーヨーカドーの商品売り場で仲むつまじく大根など見ておられたお二人を記憶する。
 
 そのお宅は瀟洒な二階建てで、玄関までのアプローチの両脇に趣味のよい庭木が配されていた。ところが、無人の庭はたちまちの夏草に覆い尽くされ、やがて秋草が咲き、背丈のある雑草が、人の行く手をふさぐほどに繁茂している。
 
 庭木の中に芭蕉が立っている。
 
 かつては、いかにものよい風情であったが、今は荒涼として、住む人のいない寂しさを極めている。
 
  横に破れ終には縦に破れ芭蕉  虚子
  
 の句のとおりの立ち姿で、哀れである。
 
 その芭蕉は、(Japanese) banana plant と、かの国では云うらしい。
 
 バナナ。
 
 俳聖芭蕉が、バナナであると。このネーミングひとつとっても、芭蕉翁は、前衛の人であると、つくづく思う。
 
 そのバナナ翁の句を、気の向くままに、これからすこしづつ読んでゆこうと思うのです。
 
 
      
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by ribondou55 | 2004-10-17 23:54 | よしなしごとあれこれ | Trackback | Comments(0)

花より団子、団子より昼寝がよろしい「隠居蛙」の日常をポロリ。誤字誤記多し、恐縮。


by 泡六堂
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