人気ブログランキング |

  この数日、駅に降り立つと土砂降り。
  
  家人の迎えを待つ間も、
 
  睡魔が立ち去らない。

  通勤電車の睡眠は、

  睡眠というより、

  「睡眠」の自己催眠に似ている

  と、

  疑いを抱いている。

  
  
b0018682_23385828.jpg

 

  蛙鳴く抽象無縁球ひとつ     李凡堂

  人気無き終着駅やさみだるる

  六月尽湿気ったマッチ擦ってみる

  てんとむし冠水橋を越え来る

  人妻のこづゑは明かき耳開く

  椎若葉かーねる・サンダースの平日

  夕立やお行儀よき子キャッキャッ

  

  

  

  
# by ribondou55 | 2005-07-06 22:51 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)
   家人が老人の介護に疲れたようだ。
   不機嫌である。
   たまにはと早引けした。
   
   と、いっても何ができるでもなく犬の散歩に出た。
   梅雨時の大型犬の散歩はちょっとした労働である。

   雨あがりの夕方の光は、緑をいっそう鮮やかに見せる。
   白夾竹桃が一面に落ちている。
   落ち梅の甘い匂い。
   
   と、
   小さな公園脇を通りかかると、
   おそらく1メートルを超えるシマヘビが、
   頭だけ砕かれて、放り出されている。
   とぐろを巻き、
   大きく口を開けているのに、
   頭蓋だけが砕かれている。
   むごいものを見た。
   しばらくの間、憂鬱が更にたれ込め、
   邪険にリードをたぐり寄せたりなんかした。



   五月雨やいづれ殺さる蛇なれば     李凡堂

   死は灰色に長きものまでの夏

   b0018682_2013345.jpg
# by ribondou55 | 2005-07-04 20:00 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)
  

  父母殺し子殺し快速六月尽     李凡堂

  量が質にひと鍋のおでん六月尽

  旱梅雨羊羹かたへ食べ残す

  黒南風やおかめ納豆黄身からめ

  七月やS&Bカレー部屋を占む

  



b0018682_002170.jpg

# by ribondou55 | 2005-07-01 23:52 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)

   
b0018682_13542103.jpg


  梅雨の夜遠距離通勤者眠る     李凡堂

  あばら骨リベラル左派が扇風機

  かの亡命者O型とかや夏帽子

  塵浸す犬の生涯夏日記

  情けねぇぞ青唐辛子炒めては
# by ribondou55 | 2005-06-28 23:33 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)
  百足など我が血統に出没す       李凡堂
 
  螻蛄の手のつかむ虚空の無限なり
  
  蜘蛛の子が這う食卓の日の光

  麦畑夕焼けの間にマッチ擦れ

  端居してわずか隔てて気配のみ

  茄子の花千の裏切りあなたがいない

  獣も棲む森ゆゑに日傘燃ゆ

  バスを待てば椎の花散る故郷かな




b0018682_8462542.jpg
# by ribondou55 | 2005-06-27 21:29 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)

ビスケット工場の木陰で

 
 この季節になると
  時刻表を買う
  夏の臨時電車が掲載されているポケット版
  一昨日、
  駅の書店で今年も買った。

  大学2年の夏。
  小さなビスケット工場で
  時給230円のバイトをした。
  昼休みには
  おばさんたちと
  よく冷えた
  牛乳を飲んで、
  二段重ねの赤い弁当箱の弁当を食った
  それが、180円。

  弁当を食い終わると
  扇風機もない工場の木陰に座って時刻表を読んだ。
  時刻表は事務所のゴミの中から拾った。
  出来損ないのビスケットを食べながら。 
  時刻表を読んでは、鉛筆でマークした。
  読んでも読んでも
  鉄道はどこまでも連結し突き進むことを止めなかった。

  一週間働くとビスケット工場の
  甘いミルク色の香料が
  ジーンズや髪の毛にしみんで匂った。
  帰り道のバスは
  必ず最後尾に座った。
  
  送り盆がすんだころ、
  家庭教師のバイト料も入ったことで、 
  三陸への周遊券を買い、
  津軽から三陸への旅に出た。

  「僕の旅」の始まり。

  その旅の最終地、
  田老の海岸の高い防波堤に
  夕涼みに出ると
  二十メートルほど先の
  ひょろっとした外灯の光が闇に融けこむあたりに
  縁台をおいて
  「女」が座っているらしい。

  紅いワンピース
  緩やかに
  むき出しの腕
  かすかに光をおびた胸元
  涼しげに・・。
  それに、
  闇より暗い髪。
  
  僕はゆっくりと歩いて
  その女の人の前を通り過ぎた
  胸がわくわくとゆらいだ
  
  「こんばんは」

  「アッ、コンバンワ」

  僕は通り過ぎた。
 
 
  旅の終わり
  なぜか盛岡駅で
  津軽の絵はがきを買った
  ビスケット工場にいた女の子にあげたいと思った。
  女の子は女の子のグループから離れた木陰で
  いつも昼休みには文庫を読んでいた。 
  文庫の表紙に見覚えがあって、・・・・。


  旅から帰って幾日かごろごろと日を過ごして
  ようやく
  8月の終わりビスケット工場によった。
  女の子はとっくにアルバイトを止めていた。
  

  それから何度か東京へ行く駅の朝のホームで
  すれ違ったり
  遠くから見かけたりしたが
  絵はがきは予定どうり渡さずじまいで終わった。

  時折ビスケットを食べると
  その軽く足を傾けた彼女の後ろ姿を思い出す若いころのひとときあったが、
  今はとんとそんなことも無く
  だいたい、ビスケットを食べることさえそうはないのだし。

  だが、時刻表を買う習慣だけは残ってしまった。
  七月になると時刻表が
  ひとときの
  愛読書となる。
    


b0018682_0244761.jpg



# by ribondou55 | 2005-06-25 00:14 | よしなしごとあれこれ | Trackback | Comments(0)

人生の準備は終わらない

  

  眠るまで身の置き場なき六月や    李凡堂

  枇杷売りの金髪先ずは熟れ急ぐ

  げしげしの腰痛持ちより遁走す

  


b0018682_05122542.jpg






# by ribondou55 | 2005-06-22 23:26 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)

  幽霊を見たことがある。
  梅雨の最中の午後〇時過ぎ。
  確かに
  アルコールに頭蓋は溺れていたが、
  あれは、
  ユーレイ。
  外灯。
  路地。
  男が塀際で、
  靴のひもを
  結んでいる。
  いや、
  変だぜ。
 
  軍人
  イヤ
  復員兵

  あっ
 
  それから、幽霊は
  時折
  僕の
  夢の夢に散歩する
  時折
  敬礼!
  




  麦秋やゴッホ眼球宙返り       李凡堂

  アマリリス脊椎正しき恋人よ

  葱の花汝亡き人愛ほしや

  六月や離婚届はぺらぺらと

  寝て起きて誕生日の今日便秘がち

ドフトエフスキー読む簿記学生に夏は来ぬ

  柿の花こぼれて今朝の浅間山

  笑い犬夏毛も軽ろし恋衣

  羽化の朝のキャベツ畑を祝福す

  

  

  

  
b0018682_2382994.jpg

# by ribondou55 | 2005-06-05 23:40 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)

青葉を愛でて終日。

  ミンダナオ島の残留日本兵二人の生存が報じられている。
  いかなる人物か分からないが、それなりの地位にいた軍人であるという。
  六〇年間、何から逃亡してきたのか。
  あるいは、何事かの想いがあったのか。
  「敵前逃亡」
  国家は苛酷である。
  小泉という人は、恐ろしく貧困な想像力しか持ち合わせない御仁とみえる。

  これを書いた一週間後、がせネタをとつかまされたとマスコミがはしゃいでいた。
  毎日のスクープだったようだが、毎日が謝ったというわけでもあるまい。

  しかし、90歳にもなる旧帝国軍兵がミンダナオで生存していようが、していまいが、
  徹底的な敗北によって、
  木の根を喰らい、
  蛇の生き血を啜り
  倒れ逝った同胞の脂を舐めたあげくに、
  死んでいった「英霊」たちに
  小泉という御仁は
  あの靖国という社で、
  何事を祈るのだろう。


b0018682_15273338.jpg



  水張りて田の面鏡の天の貌      李凡堂

  告知ありいざ鎌倉へハイヒール

  聖五月プラットホームのヒロイン

  少女等の膝にノートに南風

  鎌倉や讒言斬首白牡丹

  胸の開けて女トランプにささやく

  青葉山この道行けば忘らるる

  金曜のことば繁れる夏の耳

歯の白き毒消し売りが坂を越ゆ

 
# by ribondou55 | 2005-05-28 15:12 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)

老農婦たちの猥談

  猥談。
  このところ、聞くことも話すこともなく
  ところが、
  とある不確実な正午前に
  突発した
  記憶不全の
  婆たちが頬をほんのり染めて
  柿の花が満開の
  明るい庭先で
  紅い口の奥のことばの奈落
  黒蕩々たる
  所から。
  猥談。
  
  
b0018682_22343220.jpg


  麦熟れて浮遊極楽交尾蝶     李凡堂

  麦の穂の静まりて立つTHERE'S A PLACE

  女衆の嘆きの夏や土耕機馬耕機

  女衆の富登涼しげに川に立つ

  首くくり透谷よ筍喰らひしや

  麦秋や鶯谷の午後に佇つ

  柿の花坂行く少女生死なし

  

  
# by ribondou55 | 2005-05-22 19:09 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)

花より団子、団子より昼寝がよろしい「隠居蛙」の日常をポロリ。誤字誤記多し、恐縮。


by 泡六堂
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31