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  ようやく井筒和幸監督の「パッチギ!」(2004年・117分)を観た。

  パチンコ屋階上の新文芸座の座席はなかなか座りここちがよい。
  となりのでお姉さんが、タッパーのお弁当箱でむしゃむしゃやって
  いるのも大変OK。
  上映前のおっさんのアナウンスで、お知らせあれこれに続いて、
  携帯OFFは当然として、
  液晶を開くとその明るさが駄目、
  スーパーなんかのビニール袋をがさがさやるのも迷惑、
  などと細かいのも、OK。

   予告編のキャッチは
  「世界は愛でかえられる」と・・・。
  でも、それがどんなにか、しんどく、限りなく絶望に近い「希望」なのだ
  とも、ちゃんと
  伝えてくれる。
  しかし、それはおまけだ。
  

  それに、舞台は京都。
  京都という町に、はじめて人間がいたのだと、
  気づかせてくれたのが、
  意外な収穫。
  京都市民以外のこの国の住民は
  京都の人々はすべて観光資源、
  幻のひとびと、のように感じているものだ。

  それに河。
  その昔の「河原」に、展開されるお話は、
  とても、古典的だ。

  それに、「イムジン河」の一曲に呼び起こされる、
  (おじさんである僕にとってさえ、)
  あの時代を、
  忘れるわけはいかない事情があるのだ。
  だいたいに於いて、
  愚かしくも恥ずかしい記憶には、・・・・。
  



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by ribondou55 | 2005-07-30 00:41 | 還暦シネマ | Trackback | Comments(0)

蝶も 雲の影もなく。

    台風一過。
 
   夏星が見えた。
 
   家人不機嫌。介護疲れ。



    蛙鳴く激辛カラカレーライス       李凡堂

    鴫焼きや貧乏の食卓歯と舌と

    青田風傷痍軍人手風琴

    青田道子ども墓まで後半里

    田水沸くパーキンソン病農夫嗤ふ

    泉にて時の賽の目嘘言ふ

    引き出しの水中眼鏡黴びており

    火傷痕のみ白き野良より帰る

    ひょろふらりデコピン一撃ひまわりめ

    

    

   

by ribondou55 | 2005-07-27 23:48 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)

  台風が関東に接近。
  
  
  今週の日曜日、夕刻床屋に行く。
  いつもとおりの手順で散髪が進行してゆく。
  髭をそられるに至って眠ってしまった。
  夢まで見た。
  散髪後、床屋の親父と二言三言のやりとり。
  

  夢の中身はわすれたが、
  迷路のような構内を出口を探して焦っているような夢であったような。
  見知った女では無かったが、
  ひどく懐かしい、そのなつかしさに記憶がある人もいたが。
  誰だったか。
  それに、何故に。
  



   黄昏て妊婦のうぜんを厭いけり      李凡堂

   先ず首を尋ねて伸ばすのうぜんの花

   さるすべり椅子寄せてみん雨の後

      

by ribondou55 | 2005-07-26 22:48 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)
 昔むかしのことであるが。


  下駄浴衣両の手に杏飴      李凡堂




  

by ribondou55 | 2005-07-21 23:54 | 今は昔 | Trackback | Comments(0)
  さかなを買う
  さかなを飼う
  さかなと交う

  水族館を好きだと昔、女ともだちに
  ふざけ半分にいった。

  さかなの吐息を
  ともだちは
  忠実に模倣できるまで
  水族館に
  通うと
  嫌な目つきで言った

    
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   手花火に照らさる二人罪とする      李凡堂

   驟雨行くに傘の内シャツにほふ

   遠雷や助手席に君の寝息す

   どもる人羊の目して修司の忌

   喉仏もつ者踊る半夏生

  


   
by ribondou55 | 2005-07-19 22:26 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)

  病んでいる老人ほど始末にこまることはない。
  泣く老婆の欠けた歯。
  寝返りもままならずと、・・・・。

     泣く。
     ふと、思い立ったように泣く。
     母よ。
     泣くな。
     と、
     祈ったり
  
  老婆と口をきくのは週に一度か二度
  それで、
  十分すぎる。

     笑う。
     惚けだつ、白い顔。
     母よ。
     あなたの夫はもう帰ってこない。
     と、
     憎まれ口したり。

  このところ、
  三人の老人に
  向き合って
  思うのだが、
  やっぱり、人間の老いは醜悪である。

      母よ。
      賢き母、健気な母、戦う母、夜なべする母。

  であるからして、
  たぶん
  希望はない。
  と思っておこう。
  
     
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   情薄く去ぬるベッドへほうたるよ    李凡堂

   糸蜻蛉二十三年間を風に聴く

   梅雨明けや子蛇の腹は浄らなり

  死にしかも蟾蜍ここまでは来ぬ

   おやすみと無花果爪たてて割る








by ribondou55 | 2005-07-18 00:16 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)
   
   男女三人の間に結ばれる、複雑な恋愛関係。
   と、「三角関係」という語は、説明されるが、
   この語は
   人物をその三つの頂点に適切にどう配置するのかという
   問いを
   「関係」という語によって
   当事者に迫るものがある。
   尚かつ
   それは単純な平面上の図形では収まり切れるものではなく、
   人間個々の幻想の領域でこそ人をしてきりきりと呵むものなので
   あるが。
  
   
   
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   七月や不眠のベッドめいめいに    李凡堂

   みったりにはっぴーえんどなし百日紅



   

by ribondou55 | 2005-07-14 00:03 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)

  この数日、駅に降り立つと土砂降り。
  
  家人の迎えを待つ間も、
 
  睡魔が立ち去らない。

  通勤電車の睡眠は、

  睡眠というより、

  「睡眠」の自己催眠に似ている

  と、

  疑いを抱いている。

  
  
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  蛙鳴く抽象無縁球ひとつ     李凡堂

  人気無き終着駅やさみだるる

  六月尽湿気ったマッチ擦ってみる

  てんとむし冠水橋を越え来る

  人妻のこづゑは明かき耳開く

  椎若葉かーねる・サンダースの平日

  夕立やお行儀よき子キャッキャッ

  

  

  

  
by ribondou55 | 2005-07-06 22:51 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)
   家人が老人の介護に疲れたようだ。
   不機嫌である。
   たまにはと早引けした。
   
   と、いっても何ができるでもなく犬の散歩に出た。
   梅雨時の大型犬の散歩はちょっとした労働である。

   雨あがりの夕方の光は、緑をいっそう鮮やかに見せる。
   白夾竹桃が一面に落ちている。
   落ち梅の甘い匂い。
   
   と、
   小さな公園脇を通りかかると、
   おそらく1メートルを超えるシマヘビが、
   頭だけ砕かれて、放り出されている。
   とぐろを巻き、
   大きく口を開けているのに、
   頭蓋だけが砕かれている。
   むごいものを見た。
   しばらくの間、憂鬱が更にたれ込め、
   邪険にリードをたぐり寄せたりなんかした。



   五月雨やいづれ殺さる蛇なれば     李凡堂

   死は灰色に長きものまでの夏

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by ribondou55 | 2005-07-04 20:00 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)
  

  父母殺し子殺し快速六月尽     李凡堂

  量が質にひと鍋のおでん六月尽

  旱梅雨羊羹かたへ食べ残す

  黒南風やおかめ納豆黄身からめ

  七月やS&Bカレー部屋を占む

  



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by ribondou55 | 2005-07-01 23:52 | のらり句らり | Trackback | Comments(0)

水面を滑りまわって世を過ごし、その上、空を飛ぶ羽も持っているあめんぼは、老蛙の憧れだ。


by 泡六堂