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2019年 02月 12日 ( 1 )

 沙石集のうちの一話。

 ざっくりとこんなお話。

 ある尼さんがいた。金色の立像の阿弥陀仏を、美しく造り申し上げて、本尊として拝み供養していた。

 そのうち、もともとは京の都に住んでいたのだが、縁あって片田舎に下った。このご本尊さまもお連れして、知り合いの持仏堂に安置して、花や香を絶やすことはなかった。
 実は、この尼さん何事に付けても四角四面な性格で、ひどくケチでもあった。香を供養するにつけても、持仏堂であるから回りにたくさんの仏様がおいでになるのが気になった。自分が供養した香の煙が傍の仏さまの方に流れて、己のご本尊に届かないのではないかと不安に駆られた。そこで一計を工夫した。香をたく器の蓋に細い竹の筒をねじ入れて、その片端を仏の鼻の穴にねじ入れて、ほんの僅かであっても香の煙が散らないようにしたのだ。そのようにして香を供養していると、しばらくすると金箔を貼ってあった仏の鼻が、漆を塗ったようになって、ついに金色の輝きが失せてしまったのだ。

 さてさて、この尼さんもやがて寿命が尽き、女人に生まれ変わった。
 生まれ変わりの女人は顔かたちは人並み以上であったのだが、なんとしたことか鼻の穴が真っ黒で、まるで墨を塗ったようであった。
 
 まことにもって、因果の理ということであろう。 (沙石集巻第八の七・佛の鼻薫ぶる事)


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 ところで、ボクは、この尼さんを笑うことが出来るだろうか?











by ribondou55 | 2019-02-12 23:03 | 今は昔 | Trackback | Comments(0)

花より団子、団子より昼寝がよろしい「隠居蛙」の日常をポロリ。誤字誤記多し、恐縮。


by 泡六堂
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