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2006年 01月 29日 ( 1 )

  昨日から今日へ、DVDで三本観た。
 
    市川準監督「トニー滝谷」

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     監督:テイラー・ハックフォード「レイ」
    
宮崎駿監督「ハウルの動く城」

  「ハウルの動く城」は劇場ですでに観ていたが、TUTAYAの棚の前でふと手が伸びた。
  改めて、宮崎駿もやきが回ったものだと思い、ちょっと嬉しかった。倍賞智恵子もキムタクも駄目だ。むしろ凡庸なテレビアニメの声優でさえ、わずかな努力で越えられるだろう。倍賞智恵子は、さほどの演技者ではない。〈さくら〉役にしても年を経てその人物に年輪を加えたとは到底思えない。そういう人だ。この映画は、すべて作品の制作に先立ってあらかじめ多くのことが決定されている。それは、表現に於いても、内容に於いても。技術は確かに優れているが、何に役立てていいのか、すでに宮崎駿は、空っぽ?
  「レイ」もさほどのものではない。身体障害・弟殺しのトラウマ・ヘロイン・仲間の背任・性的逸脱そして差別・母への愛着、おそらく遠い処にある神。腹一杯に詰め込まれる。が、云うまでもなく、この映画の本筋はレイ・チャールズの音楽の生成と発展にある。この映画で、その懐かしい曲に再び出会うのだが、そのそれぞれが、彼のおなか一杯にされたエピソードに重なるという、ちょっと安易な造りになっている。そんなことは、あるまいよ。
  「トニー滝谷」は好きだ。イッセー尾形・宮沢りえもとてもいい。原作が収められた短編集「レイシントンの幽霊」は村上春樹の短編集の中でも、どちらかかと云えば地味な本だが、近作「東京奇譚」はこれに続く雰囲気があった。ともあれ、宮沢りえは、当代のもっとも魅力的な女優である。文句なしに美しい。この映画では、さらに美しい。それだけで、観るだけの意味がある。

 それにしても、映画は茶の間で観られてはたまらない。「レイ」を観た後、妻と手分けして天ぷら饂飩を作った。妻がかき揚げを揚げる間、ボクがつゆを作った。饂飩を茹でた。それを、食べながら「ハウル」を観た。そういうのは、映画にしたらたまらないないだろう。
 「トニー滝谷」は土曜の午後、和室に寝ころんだり、正座したりしながら、差し込む日の光の移動にあわせて位置を変えながら観た。時おり庭先の山茶花の真っ赤な花に目が行くのだが、それは、けっして映画を損なったりは、しなかったが。




    寒厨にカノンに似たる吐息かな      李凡堂

    寒灯やおっぱい恋し赤き色

    かじかみて愚人おのれが深き森

    凍て空を沿いつつこの川分流す

    鮟鱇のゼラチンすする第九なり

    一月や耳かきほどの砒素を欲る





    

by ribondou55 | 2006-01-29 12:32 | 還暦シネマ | Trackback | Comments(0)

花より団子、団子より昼寝がよろしい「隠居蛙」の日常をポロリ。誤字誤記多し、恐縮。


by 泡六堂
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