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「びんた」の味なんて知らない(その五)

  さて、このお題も今夜で終わりたい。

 除草剤という農薬がある。雑草に散布すると数日に内に枯れてゆく。
 いま、関東地方の水田耕作地帯を歩いてみよう。
 この除草剤によって赤茶けた風景にあちこちで出会うだろう。

 ぼくが住む北関東は、もともと米・麦の二毛作が行われていた地域であるが、今は秋から春にかけて麦を作り、春から秋は生産調整に協力する名目で休耕田として放置しておく農家が非常に多くある。しかし、この休耕田の管理つまり雑草の駆除には、農家によってかなりの差がある。旧来農民にとって自分の農地に草を生やすことは恥とされたが、もはや恥を恥とする世代は高齢化し、農作業に耐えられない場合が多い。跡取りの高度経済成長の時代にものごころついた団塊の世代は、もとより農業なんてことになんの関心もなく、雑草なんぞ気にならない。そうして、雑草の生い茂るにまかせて放置する者も少なくない。

 田圃にしてこの通りなのだから、農道やあぜ道、用水脇の雑草に対してどのような態度を取るかといえば、草苅るなんぞはばかばかしくてできない。そこで、除草剤をまき散らすのである。夏の盛り青々とした田圃を貫いて赤茶けた農道が続く。軽トラの走る道は冬枯れの農道同然である。

 これが、いまの都市近郊の田園風景である。

 戦後六〇年、この国はそうなってきた。
 一政党の権力抗争の決着のために、あたかも政治課題の国民的是非を問うといった国政選挙がでっち上げれる国である。

 わらっちまう。

 「びんた」の味を知らないぼくは、思うのだが、たぶん、六〇年前のこの帝国民草もおそらく、今のぼくらとあまりかわっていない。ご都合主義のいい加減な国民なのだ。この国は歴史に学ぶこともなければ、無視するわけでもない。ただただ、世の中と折り合いつけ、要領よく生きること、これしか頭にない奴がはびこる東海の列島人なのある。
  

 
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 残暑といえど、暑すぎる。
  

  八月の夕さりて五位ぎゃあと鳴く       李凡堂

  花合歓やミルクコップの露浄し

  合歓の木の木陰を頼るまでもなく

  冷や酒やまんざらうぶでもなかろうに

  手のひらで奴豆腐も孤独なり

  柿一本アメリカシロヒトリの晩餐

  杭打ち果てて三ツ矢サイダーでゲップ

  銀婚式どくだみの花期は経にけり

  「こわくなった、お好きなように」茄子の棘

  夏帽や豆播く人の背は高し

  


 

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by ribondou55 | 2005-08-17 23:04 | よしなしごとあれこれ | Trackback | Comments(0)

花より団子、団子より昼寝がよろしい「隠居蛙」の日常をポロリ。誤字誤記多し、恐縮。


by 泡六堂