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使い残りの18きっぷ//二本松城趾から智恵子の「ほんとの空」が見たい。(その2)

 二本松城跡のある県立霞ヶ城公園は、折しも、桜まつりが始まったところであった。
 
城のふもとの庭園で、ボクが訪れた時はソメイヨシノは二分咲き程度、本丸付近では開花直後か、つぼみ、花をつけているのは、ソメイヨシノではない。

 とにかく、これから本格的にお花見観光シーズンに突入というわけで、こんな幟が街中の至る所に立っていた。



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キャッチコピーは「ほんとの空に さくら舞う」。

まさしく「ほんとの空」なのだ。


さて、「ほんとの空」と聴くと、ボクのアタマの片隅で低くメロディが流れてくる。

ああ、二代目コロンビア・ローズが唄う歌謡曲「智恵子抄」。

東京の空 灰色の空

ほんとの空が見たいという

拗ねてあまえた智恵子

智恵子の声が

嗚呼安達太良の山に

今日もきこえる


おおなんと、歌詞を覚えているはないか。

昭和三十九年の楽曲なのだ、生意気盛りのボクの脳みそに刷り込まれた名残が、白髪頭の奧に残っていた。

歌謡曲畏るべし。


そこにいくと、ご本家光太郎さんの「あどけない話」はこうだ。


                   
                   智恵子は東京に空が無いといふ、
                   ほんとの空が見たいといふ。
                   私は驚いて空を見る。
                   桜若葉の間に在るのは、
                   切つても切れない
                   むかしなじみのきれいな空だ。
                   どんよりけむる地平のぼかしは
                   うすもも色の朝のしめりだ。
                   智恵子は遠くを見ながら言ふ。
                   阿多多羅山                           あたたらやまの山の上に
                   毎日出てゐる青い空が
                   智恵子のほんとの空だといふ。 


どうだろう、アル世代の多くにとって、あの幟の「ほんとの空」から連想するのは、光太郎かローズか。

もしも、ローズさんに軍配が挙がるとしてもボクは皮肉な結果だとは思わない。

こうして、「文学」なんてものは、生き残るのだ。



さて、ボクは「ほんとの空」を見ることができたのか、いなか。

息を切らせながら、ようやっと本丸の石垣の上にたった。

素晴らしい眺望でアル。

安達太良山は、雪の稜線を広く広く広げて、そこあった。

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空はというと、残念、それは灰色の曇り空だった。

それでも、東京の灰色の空ではないことに、満足だった。

故に、「ほんとうの空」は、次の機会に。




現在の福島の空は、智恵子のいう「ほんとの空」を取り戻せているのか?

そのことは、別問題というわけにも行かないだろう。

一日も早くと、祈らずにはいられない。












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by ribondou55 | 2019-04-12 17:20 | この一首その一句 | Trackback | Comments(0)

花より団子、団子より昼寝がよろしい「隠居蛙」の日常をポロリ。誤字誤記多し、恐縮。


by 泡六堂
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