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ご近所巡礼:番外 鎌原観音堂 // 浅間噴火大和讃に耳を澄ませよ

 都心へ通う必要から、お得な「青春十八きっぷ」を購入したが、二日分しか使用しなかった。

 ので、残りきっぷを消化する第一日目、吾妻線に乗って、万座鹿沢口下車した。

 日本のポンペイなどとも云われる

天明の浅間噴火により埋没したという鎌原(群馬県嬬恋村)を訪ねた。

 鎌原は、天明3年(1783)7月8日の浅間の大噴火によって引き起こされた土石流によって、

崩壊埋没した。

 その際、かろうじて鎌原観音堂の階段をかけのぼり、生き延びることができた人が93名、

逃げ遅れて亡くなった人は477名。

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 観音堂への参道、手前の朱塗りの橋の下へは、発掘された埋没階段が続いている、

その埋没部分に老若二人の女性の遺骨が這い上がるような姿勢で発掘され、

その発掘当時の画像から、見るものは衝撃をうける。

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 さて、この災厄と後の復興について、「浅間山噴火大和讃」はこのように伝えている。


     帰命頂礼鎌原の
     月の七日の念仏を
     由来を委しく尋ぬれば
     天明三年卯の年の
     四月初日となりければ
     日本に名高き浅間山
     俄かに鳴動初まりて
     七月二日は鳴り強く
     夫れより日増しに鳴りひびき
     砂石をとばす恐ろしさ
     ついに八日の巳の刻に
     天地も崩るるばかりにて
     噴火と共に押し出し
     吾妻川辺銚子まで
     三十二ヶ村押通し
     家数は五百三十余
     人間一千三百余
     村村あまたある中で
     一のあわれは鎌原よ
     人畜田畑家屋まで
     皆泥海の下となり
     牛馬の数を数うれば
     一百六十五頭なり
     人間数を数うれば
     老若男女諸共に
     四百七十七人が
     十万億土へ誘われて
     夫に別れ子に別れ
     あやめもわからぬ死出の旅
     残りの人数九十三
     悲しみさけぶあわれさよ
     観音堂にと集まりて
     七日七夜のその間
     呑まず食わずに泣きあかす
     南無や大悲の観世音
     助け給えと一心に
     念じ上げたる甲斐ありて
     結ぶ縁もつき果てず
     隣村有志の情けにて
     妻なき人の妻となり
     主なき人の主となり
     細き煙を営みて
     泣く泣く月日は送れども
     夜毎夜毎の泣き声は
     魂魄子の土に止まりて
     子供は親を慕いしか
     親は子故に迷いしか
     悲鳴の声の恐ろしさ
     毎夜毎夜のことなれば
     花のお江戸の御本山
     東叡山に哀訴して
     聖の来迎願いける
     数多の僧侶を従えて
     程なく聖も着き給い
     施が鬼の段を設ければ
     残りの人々集まりて
     皆諸共に合掌し
     六字の名号唱うれば
     聖は数珠を爪ぐりて
     御経読誦を成し給う
     念仏施我鬼の供養にて
     魂魄無明の闇も晴れ
     弥陀の浄土へ導かれ
     蓮のうてなに招かれて
     心のはちすも開かれて
     泣き声止みしも不思議なり
     哀れ忘れぬその為に
     今ぞ七日の念仏は
     末世に伝わる供養なり
     慎み深く唱うべし
     南無阿弥陀仏
     明治初年
     南無阿弥陀仏
      (萩原鎌原司郎補正 滝沢対吉原作 1982 )・・・赤は泡六堂に責


 平日であったせいか、観音堂を訪れる人はまばらで、閑散としていた。

 今は、一つの観光資源であるのが、

どのような形であれ、天明の浅間大噴火では歴史上希有な大被害を祖先らは被った、その史跡である。

 とはいえ、本当に閑散としていた。

 側の嬬恋村の資料館は、まことに凡庸な展示で、アレで何を後世に伝えようとしてるのか?

 観光資源でよい、魅力ある観光資源にして集客し、長く語り伝えよ、そう思った。

 つまり、世間に役立つ金儲けをしてくれればいいのだ。

このような記憶でさえ、観光地化する以外に生き続けさせることがはできない。

 忘れやすい、このことはつい先だっての福島の原発事故ですら、言わずもがな。


 南無観世音菩薩。

 南無観世音菩薩。















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by ribondou55 | 2017-09-06 15:24 | ご近所巡礼記 | Trackback | Comments(0)

花より団子、団子より昼寝がよろしい「隠居蛙」の日常をポロリ。誤字誤記多し、恐縮。


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