「マザーウォーター」//水の音、生活の音

b0018682_23263528.jpg

 「マザーウォーター」(監督・松本佳奈、2010年)をHuluで、観た、というか、聴いた。

 この頃の感動大好きの若い衆には、わけのわからない、ダルイ作品だろうが、爺さんのボクには波長が合ったようだ。

 「かもめ食堂」「めがね」「プール」「東京オワシス」「すいか」いずれの作品もおもしろかったが、これまで見落としていたこの作品が、ある意味で一番すっ飛んでいるように思った。

 すっ飛ぶというのが、へんなら、「あの人ちょっと、イッテルね。」という用例に近い、イッテル感が実は潜んでいる。

 イッテル感・・・、これも語弊があるなあ。

 ホントっぽさとウソっぽさが、クリーム状になるまで攪拌されたと、云う感じ。

 一見、淡々と日常を描いているかのような、だが、ボクにはそれを素直に信ずることができないのだ。


 この味わい、嫌いではない。


 京都のとある川沿いの街というような、設定だが、出てくる人は、余り京都人っぽくない、ややそれらしいのは光石研ぐらいか。

 というより、この川沿いの街にいつしか身をよせてきた人たちなのだ。

 川が流れるように、或いは、川に誘われて。


 相変わらず、もたいまさこが、もたいまさこをしている。

 たいしたもんだ。

 どうみても、常世?のあたりから来た人のようだに思えてならない。


 さて「聴いた」と、妙なことを云ったのは、このところHuluで映画を見るときは、ヘッドホンで聴くのが心地よくて、この作品もそうした。

 そこで、楽しかったのは、「水」が立てる生活の音を丹念に拾い上げてることであった。

 例えば、喫茶店経営の小泉今日子が、コーヒーを入れる場面で、ドリップに注ぎこまれる湯の音、コーヒーの粉に落ちるそのくぐもったような音。

 そういう音が、厳選されて聞こえてくる。

 勿論、雑多極まりない環境音はすべて除外されていて、必要最小限の生活の音だけが聞えてくる。

 気分良かった。


 ニコンEMが、半ば生き返った。

 電池を入れてみると、露出メータの針も振れた。

 レンズもいい感じ。

 でも、まだフィルムを入れて、撮っていない。

 撮れないことには、まだ、ゾンビと変らない。

 さて、いかが相成ることやら。






[PR]
by ribondou55 | 2017-01-11 23:21 | 還暦シネマ | Comments(0)

花より団子、団子より昼寝がよろしい「隠居蛙」の日常をポロリ。


by 泡六堂
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31