吾が椀はぺんぺん草が匂ひたち 泡六堂

 朝飯は、おきまりの七草粥。

 「七草草子」によれば、一口で10歳、七口で70歳若返るという。

 そうであれば、御利益が本当なら、今のボクは影も形もなくなっていいはずだが、白髪一本だに黒くなることなく、爺さんのまんまである。


 配偶者が買ってきた七草粥セットは、ちかくの農家がJAの直販所に卸しているものだが、人参が一切混じっていた。

 一般的に七草粥の七草とは、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、ナズナ、スズシロというが、七草粥セットで確認できるのは、スズシロ(大根)、ハコベラ、人参、それに、ナズナ、外に綠の物が混じるが、ボクにはなんだか分からない。

 これはどうしたことか?と、「聞き書き 埼玉の食事」(農文協)に当ると、この地域については、七草粥の記述はなく、川越商家の「晴れ食」として記述があった。

 七日の朝、にんじん、ごぼう、大根を細かくきざみ、米三合ほどで炊いた味噌仕立てのかゆへいれ、切りもちを入れて煮る。最期に小松菜を入れる。焼き餅のお雑煮とは反対にとろとろになるまで煮ると、もちに野菜がからんでおいしいい。野菜をきざむとき、「七草なずな、唐土の島と日本の鳥が、渡らぬさきに、すととんすととんすととんとん」と歌いながら包丁を使う

 とある。

 これは、我が家では「味噌おじや」として食べているものに近い、具材は一般的な七草とは、まったく違っているものの、まな板を叩きながら歌う「歌」は同じ。

 つまり、問題は「歌」を歌うことであって、何を粥の具にするかは、余り問題ではないのかも知れない。

 それも包丁でまな板をたたきながら歌うのだ。

 要は、そのまな板を叩く行為と「歌」が、セットになって「お呪い」なのだろう。

 一茶の句にも、

 七草の音に負けじと烏かな

 七草を敲き直すや昼時分

 七草を内々に打つ寝坊哉


 具材は、その土地のものでいい。

 そういうことだろう。

 と、勝手に理解した。


 ちなみに我が家は、塩味で、切り餅をいっしょに煮る。


 ナズナ、これは、花が咲くとペンペングサと、呼ばれる。

 「ぺんぺん草も生えない」といわれるように、荒れ地の最期に生える貧乏ったらしい奴であるが、実はこれが薬草で、肝臓病なんぞに効くそうだ。


 ペンペングサ、捨てたものではない。


 
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by ribondou55 | 2017-01-07 15:14 | 舌の幸い | Comments(0)

花より団子、団子より昼寝がよろしい「隠居蛙」の日常をポロリ。


by 泡六堂
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