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「わたしはだれでしょう」氏   寺山修司

 「わたしは、自分がだれだかさがしあてるために旅に出ました。でも、だれ一人として、わたしにそのことを教えてくれるひとはありませんでした。ちょうど、港町の〈靴の船〉という酒場でひと休みしていたとき、もと、この病院の看護婦をしていたというホステスのガーゼという子が教えてくれました。思い出内科へ行けば、”思い出の注射”をしてくれる。そうすれば、味気ない過去のかわりに、楽しい過去が体に入りこみ、人生が楽しくなる、と」
 レインコートのおじさんの表情は、まさに真剣そのものでした。
 「おねがいです。だれのだってかまわないのです。わたしに、楽しい思い出を注射してください」
   『思い出の注射します』 寺山修司・赤糸で縫いとじられた物語より

 さて、・・・・。

 味気ない過去、まあ、そうだな、だからといって、注射は嫌いだ。

 味気なくとも自前の過去で我慢しよう。

 年の初めに、そう思うのだ。


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by ribondou55 | 2017-01-04 23:53 | 読み捨てご免 | Trackback | Comments(0)

花より団子、団子より昼寝がよろしい「隠居蛙」の日常をポロリ。誤字誤記多し、恐縮。


by 泡六堂
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