人気ブログランキング |

風邪でぼやけた頭で「オーバー・フェンス」を観た。

 風邪が抜けない。

 鼻水が止まったか、鼻の穴がカラカラに乾燥しているのが、不快で、鼻をほじると、鼻血が出た。

 その鼻血が、ジクジクとしていて、今もすっきりとはなってはいない。

 丸めてつめてあるテッシュペーパー越しに、キーボードを打っている。


 昨日のこと、家で安静もヨイが、少しは世間の風邪に当ろうかと、「オーバー・フェンス」を観に出かけたのだ。

 深谷シネマは、馴染みの居心地良いミニシアターであるし、幸い咳は止まっていて、いい気分で観られた。


b0018682_14193181.jpg

 「オーバー・フェンス」は、原作は佐藤泰志。

 この作家の函館を舞台にした小説の映画化としては、「海炭市叙景」(監督・熊切和嘉)、「そこのみにて光輝く」(監督・呉美保)につづく、三作目にあたる。

 前二作については、共に、たいへんすぐれたものであったから、昨日まで見損ねていた本作も、楽しみにしていたのだ。

 やはり、観終えてみると、この三作にはそれぞれに、味わいがあったなと、思った。


 佐藤泰志は、1949年函館に生まれ、上京、小説を書く、一時帰省するが、再度上京、満四一歳で自死した。

 この映画の主人公は、妻子と離別して東京から函館に帰省し、今は職業訓練所の建築科に通うひとり暮らしの男(白岩義男・オダギリジョー)である。

 この経緯には、佐藤の自伝的な臭いが色濃くある。

 大学を中退して訓練所に通ってはいるが、そこでも自分を場違いな異物としてしか感じられない森(満島真之介)という青年の方に、或いは、佐藤の実像は近かったかも知れない。

 
 無自覚に『壊してしまった男』と既に『壊れている女(田村聡・蒼井優)』の再生の物語、この作品にも、函館三部作とでも云いたくなるのだが、かすかなかな「希望」の光が差している。


 キャストそれぞれが、とてもよい。

 期待は、裏切られなかった。

 すこしは、惚けた頭もすっきりした?

 分からない。 

 

トラックバックURL : https://ribondou.exblog.jp/tb/26479425
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by ribondou55 | 2016-12-16 14:22 | 還暦シネマ | Trackback | Comments(0)

花より団子、団子より昼寝がよろしい「隠居蛙」の日常をポロリ。誤字誤記多し、恐縮。


by 泡六堂
カレンダー