「この世界の片隅に」//そこで、平穏に生きることは大変だ

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 「この世界の片隅に」(監督・脚本片渕須直、2016年)を、観た。

 今年のヨコハマ映画祭で、作品賞に選ばれたと報じられている。

 審査員特別賞に、のんが。

 今話題の「君の名は」は10位であった。

 ボクの住む町のシネコンで観たのだが、「君の名は」と同時刻の開映となった。

 11時40分であったのだ、客の入りをそれとなく見ていた感じでは、本日12月6日においては、片や驚異的興行収入をあげているわけだが、案外遜色なかった。

 「君の名は」は、母と娘の組み合わせが眼についたが、「この世界の片隅に」には大人たちが入場していた。

 
 主人公すずののん(本名・能年玲奈)は評判通りの好演であった。

 
 この作品にはお涙頂戴的な意図を感じさられることがなかった。

 このことは、記憶しておこう。

 時間的に重ねられてストーリーをつくってゆく小さなエピソードのそれぞれもわかりやすく無駄がない。

 登場する人物ひとりひとりの人物像も明瞭。

 時代考証の精密さも、さすがである。

 涙をさそうのでなく、すずの身の上におきた「事実」を描いていて、そこに観客の意識は集中させられてゆく、そんな感じだ。


 この作品が、反戦らしくないからいいとか、それと似たようなものだが、反戦を徹底してないから物足りないとか、そんな印象を語る人たちもいるらしいが、それは、その人たちの愚かしさというより、どちらもこれまでの「戦争」を描く映画の「常識」にとらわれているからだ。

 一部の人には、「アニメ」であることから軽んずるということもあろうが、これはりっぱに「映画」である。


 世界の片隅に、ひとりひとりの歴史がある。

 世界の片隅から、「世界」への通路がある。

 世界の片隅へ、否応なく「暴力」は襲いかかってくる。

 それをどのように乗り切るのか?

 引きこもり老人のボクではあるが、死ぬまで「世界」から足抜け出来ない。
 
 
 わすれられない作品になるだろう。


 沢庵漬けの仕込み終了、15㌔、大根品種は「妻沼だいこん」。



 
 

 

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by ribondou55 | 2016-12-06 22:55 | 還暦シネマ | Comments(0)

花より団子、団子より昼寝がよろしい「隠居蛙」の日常をポロリ。


by 泡六堂
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