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『永い言い訳』と『雪の轍』//ダメ男二人への共感

 『永い言い訳』(監督・西川美和、2016年)、『雪の轍』(監督・ヌリ・ビルゲ・ジェイラン、2014年)を続けて観た。

 まったく味わいの異なる二作であるが、ともにダメな夫が再生する物語である。

 そう、言い訳と偽善的言辞を繰り返すダメな夫であるのは、このボクも同じであって、『言い訳』の衣笠幸夫クンと『轍』のアイドゥンを他山の石とするだけだ。

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 現在上映中の『永い言い訳』の評価は、近いうちに一層高まるにちがいない。

 この監督さんの腕は、作品ごとに磨かれてゆくようだ。

 とても感じの良い映像である、撮影が『FAKE』で森達矢監督と組んでいた、そして『海よりもまだ深く』の山崎裕という人であった。

 キャストもそれぞれが好演していた、本木雅弘・竹原ピストル、特に本木は、あたらしい側面を見せてくれた。

 子役の二人もとてもよい。



 『雪の轍』は、文句なし、すぐれた作品だった。

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 世界遺産のトルコ・カッパドキアに佇むホテル。親から膨大な資産を受け継ぎ、ホテルのオーナーとして何不自由なく暮らす元舞台俳優のアイドゥン。しかし、若く美しい妻ニハルとの関係はうまくいかず、一緒に住む妹ネジラともぎくしゃくしている。さらに家を貸していた一家からは、思わぬ恨みを買ってしまう。やがて季節は冬になり、閉ざされた彼らの心は凍てつき、ささくれだっていく。窓の外の風景が枯れていく中、鬱屈した気持ちを抑えきれない彼らの、終わりない会話が始まる。善き人であること、人を赦すこと、豊かさとは何か、人生とは?他人を愛することはできるのか―。互いの気持ちは交わらぬまま、やがてアイドゥンは「別れたい」というニハルを残し、一人でイスタンブールへ旅立つ決意をする。やがて雪は大地を真っ白に覆っていく。彼らに、新しい人生の始まりを告げるように。(公式HP)


 ボクにとっては、リタイヤーした爺さんの身として、こちらの方が身にしみたかもしれない。

 勿論、裕福なホテルのオーナーなんぞではない、年金暮らしの身の上だし、カミサンはぷくぷくとした婆あであるが、それでも、まあ、分かるような気がした。

 カッパドキアにだって、行ったこともないけれど、あんなに寒そうな所だったのかとも、・・・・シリアもあんな感じで寒いとこなのだろうか?






 
 

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by ribondou55 | 2016-10-17 15:30 | 還暦シネマ | Trackback | Comments(0)

水面を滑りまわって世を過ごし、その上、空を飛ぶ羽も持っているあめんぼは、老蛙の憧れだ。


by 泡六堂