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『アンジェリカの微笑み』//彼女は亡霊です。

 マノエル・デ・オリベイラ監督が、100歳を越えて撮った作品である。

 『アンジェリカの微笑み』(2010年)をレンタルDVDで。

 2015年4月に106歳で亡くなるまで、精力的に映画を撮り続けたマノエル・ド・オリベイラ監督が101歳の時にメガホンをとった一作。若くして亡くなった娘の写真撮影を依頼されたイザクは、白い死に装束姿で花束を手に眠るように横たわるアンジェリカにカメラを向けた。イザクがピントを合わせた瞬間、ファインダー越しのアンジェリカがまぶたを開き、イザクにやさしく微笑んだ。驚きながらも撮影を終えたイザクが写真を現像すると、今度は写真の中からアンジェリカが微笑みかけた。連続する不思議な出来事から、すっかりアンジェリカに心を奪われてしまったイザク。そんな彼の思いに応えるかのように、アンジェリカの幻影がイザクの前に姿を現す。イザク役にオリベイラ作品の常連俳優で、監督の実の孫でもあるリカルド・トレパ。アンジェリカ役に「女王フアナ」「シルビアのいる街で」のピラール・ロペス・デ・アジャラ。 映画com より拝借


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 今時の感覚で云えば、退屈この上ないと、云われてもしかたがないな、というのが第一印象。

 監督は何せ物理的な年齢で云っても巨匠、・・・、101歳にして何を言おうというのか?


 物語は、イザクというユダヤ人の若者が、アンジェリカという美しい人妻の亡霊に誘惑され、一目で恋に落ちてしまう。

 夜な夜な亡霊の人妻が、イザクのもとにやってくる。

 幽体離脱したイザクは、人妻亡霊と抱き合って夜空を飛びまわるなんて、ロマンチックなデートだってする。

 とはいえ、相手は亡霊、結ばれるためには、イザクが彼女の世界に行くしかない、最後は手に手をとって、かの世界へと旅立つという、ファンタジーである。

 日本云えば、「牡丹灯籠」ってところか。

 勿論、亡霊なんて信じませんという向きには、美しい死に顔に魅惑されしまった気の毒なパラノイアのお話、としか見えない。

 
 ちょっと、つれない言い方だった。

 キャッチフレーにの「世にも美しい愛の幻想譚」とある、映画の狙うところは、そういうことだろう、実際最後まで見てしまう観客の席を立てない理由がそこにある。

 どこが美しいのか、それは恥ずかしいくて口にはしづらい言葉で言うと、「ピュワー」って奴だ。

 イザクのアンジェリカに寄せる心情は、ひたすら純粋だといえる。

 死者に死ぬほど恋するということは、笑い事でないのだ。

 こういうのは、始末が悪い、妙な説得力をもつのだ。

 101歳の人間が、最晩年にこういう映画を作るというのは、なにからなにまであきらめ始めているボクの老後であっても、もしかしたら善き心を願う気持ちを失わないでいられるかも知れない、かすかな希望となるかも・・・・。






  

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by ribondou55 | 2016-10-14 16:49 | 還暦シネマ | Trackback | Comments(0)

花より団子、団子より昼寝がよろしい「隠居蛙」の日常をポロリ。誤字誤記多し、恐縮。


by 泡六堂