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「スリーピング.ボイスー沈黙の叫び」・・スペイン内戦直後を描く

 「スリーピング.ボイスー沈黙の叫び」(スペイン映画・監督ベニト・サンブレノ、2011年)を、レンタルDVDで観る。


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 1936~39年に起こったスペイン内戦の終結後、喪失感を痛みを抱えながらも立場を超えて共闘し、希望をつないだ女性たちの姿を描いたドラマ。スペイン内戦終結から2年。マドリードの刑務所では、共和国活動派の恋人や妻、母たちが次々と収監され、死刑が執行されていた。妊娠中に収監された姉オルテンシアを助けるため、南部のコルドバからやってきたペピータは、姉から山岳地帯でゲリラ活動を続ける義兄への連絡係を頼まれる。一方、刑務所内で出産したオルテンシアは、子どもを守るため、ひとりの女性看守にある願いを託す。(映画com より拝借)

 スペイン内戦後、フランコ軍事独裁下での反体制民主化勢力(主に共産主義者)に対する徹底した弾圧の様相と過酷さを描いていて、ああそんな風に、今からなら顧みる事なのですねと、教えて貰った。

 この映画でボクにとって印象的であったのは、キリスト教会がその弾圧機構の先端にいたことだ。

 こんな、報道もある。

  2012年04月15日 19:46 発信地:マドリード/スペイン
 【4月15日 AFP】スペインの首都マドリードで12日、フランコ独裁政権下で新生児が出産したばかりの母親から修道女らによって盗まれるという組織的な事件で、初の裁判が行われた。

 スペインでは1939~75年までのフランシスコ・フランコ総統による独裁体制下、およびその後1980年代までの数十年に及び、カトリック教会の司祭や修道女、医師らが組織的な新生児の拉致に関与したとみられているが、母親から奪われた子どもたちの正確な数は分かっていない。数百人から数万人説まである。

 12日は、1982年3月にマドリードの産院で出産したマリア・ルイサ・トーレスさん(58)から生まれたばかりの女児を奪ったとされる修道女マリア・ゴメス・バルブエナ被告(80)に対する裁判が行われた。

 出産後、トーレスさんはバルブエナ被告から、経済的に落ち着くまで一時的に女児の面倒を見てあげるといわれ、その申し入れを受け入れた。だが、被告は女児を他の家族に渡していたという。このためトーレスさんは娘を「盗まれた」としてバルブエナ被告を訴え、被告は不法監禁と文書偽造のかどで起訴された。

 AFPの取材に応じたトーレスさんは出産後、「娘はどこにいるのかと彼女(バルブエナ被告)に聞いた時、私はまだ半分眠っていた。彼女はこう答えた。『私にそれを聞くのはやめなさい。さもないと他の娘も連れて行くし、あなたは姦通罪で刑務所へ行くことになります』」

 なぜ子供を奪われた当時被告を訴えなかったのかというAFPの質問に対してトーレスさんは「修道女は絶対的な存在だと思っていたから」だと答えた。

 生き別れた娘は、この事件を追っていたある記者が探し出し、トーレスさんは前年、再会を果たしている。

 一方、出廷したバルブエナ被告は、法廷での証言を拒否。付き添った仲間の修道女と共に警官に警護されながら、押し寄せた報道陣から逃れるように裁判所を後にした。

 フランコ政権下で「道徳教育」上、問題があるとみられる家庭から子どもを引き離すという政策として当初開始された新生児の拉致は、じきに金銭目的に変化していったとみられている。母親たちは多くの場合、子供は出産して間もなく死亡し、病院がすでに埋葬したと聞かされていたが、新生児たちは実際には他の家庭に譲られたり、売られていた。こうした母親らによる訴えは1400件以上に上り、子どもを買った側が起訴される例も増えている。

AFPBB News より


 この映画でも、死刑になった姉オルテンシアの遺児が、刑務所を仕切っている神の名の下に非道極まりない修道女から、無事に妹のペピータの手に渡るのだろうかと、はらはらさせられる。

 ボクらの国でも西南戦争をはじめとして内戦や、それに準ずるような内乱があった。

 しかし、その記憶はもはや小説やドラマの中の出来事と成っている。

 だが、まったくそんなお気楽ではない記憶がスペインの人々の間にはあるのかも知れない。


 映画としてみると、オルテンシア役のインマ・クエスタという女優さんは美形であり、たいへん色っぽいし、その妹のペピータ役のマリア・レオンというお方も、田舎娘をうまく演じつつ、大きな青い眼をくりくりとしてとてもかわいらしい。

 メロドラマとしてみても、結構楽しめる。

 わるくないが、やや、弾圧される側を美化し過ぎているし、ひさびさに「インター」なんぞも、聴いてしまって、日本語の和訳歌詞はやっぱりだるいなと、スペインの「インター」を聴きながら、否、字幕を読んで、思った。





 
 


 

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by ribondou55 | 2016-10-11 23:09 | 還暦シネマ | Trackback | Comments(0)

花より団子、団子より昼寝がよろしい「隠居蛙」の日常をポロリ。誤字誤記多し、恐縮。


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