秋の暮とんかつ一枚コロッケふたつ 泡六堂
2016年 09月 30日
最寄り駅の駅前通りにある小さな精肉店の惣菜フライが、ボクの好物である。
子供ころ、働きに出ていた母が、夕飯のおかずにしばしば登場させた肉屋のコロッケ・イカフライ・アジフライ・メンチカツ、そしてたまにとんかつ、そのころに身についた味である。
しかし、昔のように揚げ物の山盛りを平らげてくれる喰い盛りがいない今、老人二人の食卓ではたくさんのものはいらなくなった。
とんかつ一枚を分けあい、コロッケは一つづつ。
そういうことだ。
筑摩版の「つげ義春全集」を図書館から借りだして読み返してみた。
全集7巻目の解説で、赤瀬川原平さんが、
あっさりしているに濃密で、何度でも読めて、何度食べても減らないご馳走
と、つげの作品をこれ以上ないほどに高く評価していている。
さすが原平さん、いいことをおっしゃる、それにこの解説文は、つげ義春の表現の本質にふれているように思う。
まあ、そういうことだ。
小松菜・ほうれん草・ニンジン・手遅れ気味に大根の追加・・・、畝をたて、種をまく、お天気と相談しながらだが、焦っている。
by ribondou55
| 2016-09-30 22:55
| のらり句らり
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