人気ブログランキング |

春の日の雨しき降ればガラス戸の曇りて見えぬ山吹の花  子規

 山茶花の垣根なのだが、その数本がどうしたことか続けざまに枯れてしまった。

 隙間になった部分に同じ山茶花を植え直すのも面白くないので、ついついもらい物などを気まぐれに植えてきた。

 山吹は、秩父のとある民家の脇の藪に咲いていたのを、許しを頂いて、数株引っこ抜いてきて植えたものだ。

 それが数年で生け垣の一部の体をなした。

 
b0018682_23231670.jpg



 正岡子規の根岸の子規庵にも山吹が植えられていた。

 タイトルの子規の歌は、明治34年春に詠まれている。

 翌35年没。

 子規の歌集によれば、

 世の中は常なきものと我愛づる山吹の花散りにけるかも (34年)が山吹を詠った最後の歌のようだ。



b0018682_018127.jpg 今日は、はっきりしないお天気だったので、こんな日は映画の日ということになった。

 『少女は自転車にのって』 (監督・脚本:ハイファ・アル=マンスール、2013年/サウジアラビア・ドイツ)を観た。

 サウジアラビアという国は,映画館のない国であるそうな。

 また、著しく女性の人権が制約されている国でもあるということも。

 こうした国で、女性が映画を作り上げるということは、とても困難なことであったろう。

 主人公の少女ワジダ役のワアド・ムハンマドがとてもしなやかでかわいらしい。

   この作品についての紹介は、NHKの[ワールドWave]『サウジアラビア 制約を受ける女性たちは今』(http://www.nhk.or.jp/worldwave/marugoto/2013/11/1111m.html)がわかりやすいし、ボクもこの映画について知ったのもこの番組であった。

 つべこべ云うことは何もない、映画館を去る時の気分がとてもいい感じになる。

 変革への意志というものは、こんな風に静かに語られることで信じることができるものになるのだという、お手本のような作品である。













 

 

  

 









 山吹の歌    正岡子規

 病室のガラス障子より見ゆる處に裏口の木戸あり。木戸の傍、竹垣の内に一むらの山吹あり。此山吹もとは隣なる女の童の四五年前に一寸許りの苗を持ち來て戯れに植ゑ置きしものなるが今ははや繩もてつがぬる程になりぬ。今年も咲き咲きて既になかば散りたるけしきをながめてうたた歌心起りたれば原稿紙を手に持ちて

 裏口の木戸のかたへの竹垣にたばねられたる山吹の花

 小繩もてたばねあげられ諸枝の垂れがてにする山吹の花

 水汲みの往來の袖の打ち觸れて散りはじめたる山吹の花

 春の日の雨しき降ればガラス戸の曇りて見えぬ山吹の花

 ガラス戸のくもり拭へばあきらかに寢ながら見ゆる山吹の花

 春雨のけならべ降れば葉がくれに黄色乏しき山吹の花    〈明治34年〉
トラックバックURL : https://ribondou.exblog.jp/tb/22469474
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by ribondou55 | 2014-04-19 00:03 | 還暦シネマ | Trackback | Comments(0)

花より団子、団子より昼寝がよろしい「隠居蛙」の日常をポロリ。誤字誤記多し、恐縮。


by 泡六堂
カレンダー