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「かぞくのくに」を観た深谷シネマのコッペパンは百五十円だった。

 「かぞくのくに」(監督・ヤン・ヨンヒ、2012年)を観た。

 もう、11月も半ばであるから、今年観た映画の中ではと、いっていいだうから云うが、今年観た中ではじわっと来る射程の長さが、とてもいい感じの作品である。

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 いい感じと、いうのは切実で厳しい作品のテーマとはかけはなれたような云い方で、どうかとも思うが、小生の最近の物事の判断基準が、いい感じか、いやな感じか、ニュートラルな感じの三通りしかないので、しかたない。

 一番気に入ったのは、不条理な現実に対して誰もわいわい大声で正論を吐かない、ところだ。妹役の安藤サクラさんの演技は熱演といえるだろうが、小生には節度ある表現であって、好ましかった。個人的には、ちょっと知り合いの人に姿形だけではなくさりげない表情や物事を感受するセンスが似ているような気がして、懐かしかったせいもある。

 「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」ではじめて井浦新さんという俳優にであったのだが、失礼ながら云わせてもらうと一見ぼーとしている。それが、そのようでいて、とても繊細な、深く「内向する」演技をする人だと思った。「かぞくのくに」では、三島よりリアルな存在感のようなものを感じた。にしても、若松孝次監督の死は,非常に残念だった。

 チラシによると、此の映画はヤン・ヨンヒ監督の「実体験に基づきながら」とある。それにかかわるなら、「息もできない」のヤン・イクチュンさんが、ヤン同士を演じている。この人物の存在が此の映画の主題性の奥深さをよく付け加えているようにおもった。

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 ここまで、書いて中断し,再びPCに向かったのだが、その間にTVニュースをいくつか見てしまった。

 16日解散を目前にして、大方の衆議院議員の生き延びるためのジタバタ振りには、目に余るものがある。そこに加えて此の政治的混乱に乗じて決起などという時代錯誤の威勢の良さばかりめだつ老人に振り回れる面々。ばかばかしくて一抜けたとか、そんなお方はおいでではないような。


 で、映画の印象を書けなくなった。此の映画が問いかけてくる理念的な水準からみれば、かの国の権力者と此の国の権力者とが、みごとに「国民」のことを忘れはてて、権力抗争に明け暮れている様相が、あきれるほど同じだという構造。


 小生らの「かぞくのくに」の行く末には、果たしていかなることになるのか。

 これから始まるどたばた選挙に何が期待できようか。

 まっとうにものを考える「第4極」の出現は、遠いのだろうか。


 妙な方向に流れてしまった。

 今回は例外としよう。 


オリーブの実、北関東の吹きっさらしでも実は熟すのだ。

 希望としよう。

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by ribondou55 | 2012-11-15 18:32 | 還暦シネマ | Trackback | Comments(0)

花より団子、団子より昼寝がよろしい「隠居蛙」の日常をポロリ。誤字誤記多し、恐縮。


by 泡六堂